
市内の小学5年生の楽しみな行事と言えば、さくぎカヌー公園での野外体験学習です。
事前学習でもらったしおりを見て、
「カヌーって楽しいかな」
「沢歩きってどんなんだろうね」と、母と話しながら準備をしました。
夏休みに入ってすぐ、野外体験学習の日がやってきました。
川の流れしか聞こえない程の大きな江の川を前にすると怖さを感じましたが、カヌーに乗ってこぎ始めると、すぐに楽しくなりました。
乗る前に教わった様にパドルをこぐと、すうっと川の中央に進めました。
友達のカヌーとぶつかりそうになったら、インストラクターの方がブレーキのかけ方を教えてくださいました。
いつもなら、できないことを友達にたよることができますが、川の上ではそうはいきません。
パドルでこぐ、ブレーキをかける、向きを変える、これらを繰り返していると、カヌーの動きが様になり、少し余裕も出てきて、青空の下で、作木の自然と、ゆう然と流れる江の川で楽しそうにしている友達をながめることができました。
次に、沢歩きに挑戦しました。
ヘルメットにライフジャケット、スニーカーという服装で、登山道に沿っている沢を上り、滝つぼを目指しました。
ただ川石をつかんで一歩進むことさえ難しく、「これは想像以上に大変だぞ」と思いました。
先頭のインストラクターさんと最後尾の先生たちの間をクラスみんなで川上に向かって歩きましたが、水の流れに勢いがある所や木々が川におおいかぶさった所でしりもちをついたり、足を打ったりしました。
「ここ、すべるから気を付けて」
「キャー、大きなカエルがおった」
「大丈夫」
お互いを気づかい、応えんする言葉が飛び交いました。
ぬかるむ川石を上手くわたれるようになったころには、あさせにうかび青葉のすき間から空を見上げたり、川の流れや鳥の声に耳をかたむけたりするすてきな時間がもてました。
ゴールの滝つぼは、足がつかない深さなのもあり、ひみつの場所みたいでした。
こけむした滝つぼの横を登って今まで歩いてきた沢を見下ろして「みんなでがんばって歩いて良かったな」という思いは、これからも忘れないと思います。
はっきり言って、私はゲームが好きなインドア派で、アウトドアなことは好きではありませんでした。
けれど、野外体験活動は、私の住む三次市にはこんなにもきれいで豊かな自然や、それを支える人たちがいることに気付かせてくれました。
小学生の私が三次のすみずみまで行くのは無理ですが、今できることとして、自主学習で温泉や自然公園などの調べ学習をすることが増えました。
私みたいに、三次に興味をもってくれる人が増えることを願っています。