「おはよう!」「いってらっしゃい!」「出来のええトマトがとれたけぇ、帰りに食べにきんさいやぁ。」中学校までの2.5キロの通学路。いろんな人が声をかけてくれました。今思えば、黙ったまま学校まで通った日なんてなかったなぁ。でも、今暮らしているこの街では、喧噪な通勤時間に、温かな声は聞こえてきま…
三次在住の友人が三次に遊びに来ない?と誘ってくれて、遊びに来た。緑がきれいで、山が低い。川が緩やかに流れていて、空気が澄んでいた。その時季節は夏で、つばめが低く飛んでいた。親水公園と名のついた河原で、たくさんのつばめが飛んでいた。こんなにたくさんつばめを昼に見た事がなく、自然豊かなところだ…
「三次に永住したい。家を建てたい。」三次で過ごす2回目の夏のある日、突然そう言った私を、夫が本気にしていない顔で見る。「賃貸が好き。好きな時に転居できるから。」と、私は結婚前から伝えていたからだ。そんな私が三次に永住を希望した訳を説明したい。 私の親は転勤族であったため、幼少期から各…
三次は典型的な田舎で、山や田んぼに囲まれ緑の多いのどかなところだ。特に私が住む地域は住人が年々減少し、保育所が数年後にはなくなるようで、最近は隣に鹿が引っ越してきたみたいだ。少し離れた道路を走る車の音がこの町に音をもたらす。通勤、帰宅時間に合わせて微妙に違うその音で時間の経過を感じる。田舎…